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つれづれなる毎日

誰も先の事はわからない。だからお楽しみは後回しにしない!

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乳がんかも?〜病院へ行ってから〜

【 前回の続きです。 】

病院の受付開始(開門?)は朝8時。診察券のある人は受付機に診察券を通し診察希望の科へ行く。それぞれの科の受付業務開始は8時30分、そして診察開始は9時。私は診察券のない全くの初診なので紹介状を持って初診受付へ、そこで手続き書類を書かされ個人ファイル作成。ファイルを渡され外科受付へ。そこで問診票を渡される。その時点で9時少し前、その後30分位してマンモグラフィーを受けてくるよう指示される。マンモグラフィーの後外科待ち合い室で悶々とした時間を過ごす。1人やたら周りの人に話しかけているおばさんがいた。私は誰かと話せる気分じゃないので「私に近づくな、話しかけるなオーラ」を必死で出した。それにしても世間にはなんて沢山パートナーの受診に付いてくる男性がいるのだろう…そんな事をぼんやり考えながら他の人達を眺めていた。私と同じように初診らしき人達のほとんどは診察室を出てくるとほっとした表情になっている。もうすぐ私もあんな風になれるに違いない、そう思っていた。11時30分を過ぎた頃ようやく中待ち合いに。そして前の人が診察室から出てきて数分後私が呼ばれた。

診察室に入って初めてその男の先生の顔を見たとき「あ、若い」というのが第1印象。その先生はマンモの画像を見た後私の方へ振り向き「健診で何かあるって言われちゃった?自分でわかる?」とフツーに話し始めた。私「全然わかりません」先生「じゃあ、触診してみるから横になって」触診をしながら先生は「ん〜?これは腺腫じゃないかなあ…ちょっと最新式のエコーで見てみようか。それで何かあったら針を刺して組織を調べてみよう。すぐに呼ぶから部屋の前で待っていて」と言った。中待合で待っているとすぐにもっと奥の部屋から女性の技師さんらしき人が私を呼びにきた。そしてエコーの間やはり健診の時と同じ所で手が止まり何枚もの写真を撮られた。この期に及んで私はまだ「これで無罪放免、解放される。先生はきっと悪いものじゃないよ、心配ないと言ってくれるに違いない」必死でそう思い込もうとしていた。そして再び診察室へ…さっきと空気が違った。先生の顔色が違っていた。そして「やっぱり何かあるね、針を刺して調べてみよう。ちょっと太目の針だけど痛み止めの麻酔するから大丈夫」と言った。私横になりながら「え?!どの位?」先生「1.6cm」私「え?それって大きいの?小さいの?」先生「そんなに大きくないけれど形が悪いから。これは調べなければいけないしこりだから」そこから先もう泣きたいのを必死で堪えてそこにいるのが精一杯だった。麻酔の注射も痛ければその後の検査もガチャン、ガチャンと音がしてものすごい痛みだった。結果は10日後。死のモード満載で泣きそうな私の目を見て先生は言った「大丈夫だよ。そりゃあ癌だって言われたらショックだろうけれど、たとえ癌だったとしてもそんなに悲観するような状況じゃないよ」と。

診察室から中待合に出てきた私に「どうだった?大丈夫だった?」と話しかけてきた人がいた。さっき診察室でやたらおしゃべりだったおばさんだorz…「私に近づくな、話しかけるなオーラ」はこのおばさんには効かなかったのか?!「いえ、まだ…」と言葉を濁す私にそのおばさん「気をしっかり持ってね」だって。まさか後にこのおばさんと1週間の入院生活を隣同士のベットで過ごす事になるとは思いもしなかった

そこから10日間、数分だって「癌」という言葉が頭を離れる事はなかった。先生の「大丈夫だよ」と言う言葉にすがるような思いだった。そして1人の友達を思い出していた。彼女はその2年前に乳がんになっていた。術前抗がん剤、手術、今は無治療、経過観察のみとなっている。今思えばトリネガだったのかな。私がその事を知ったのは彼女が既に脱ヅラした頃だった。噂は聞いていたけれど久しぶりに会ってベリーショートの彼女になんと声をかけていいか分からずにいる私に明るく「もう大変だったわよー」と話していた彼女。彼女はたった1人でこの不安な時を過ごしていたんだ、1人で闘ってきたんだ、そう思うと肝心な時に支えてあげられなかった自分が情けなく申し訳なくなった。そしてついに1人で耐え切れなくなった私は彼女にメールした。「怖い」と。彼女の返事は「大丈夫。今が一番不安で怖いとき。結果がはっきりとわかれば例え悪いものであっても闘う覚悟が出来る。ついているよ」そして冷静にこれからの事にアドバイスをくれた。たった1回しか会っていない先生の「大丈夫」と20年前からの友達の「大丈夫」この2つがなかったら不安と恐怖で押し潰されていたかもしれない10日間だった。


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Comment

No title 

誰かの「大丈夫」(特に、経験者の大丈夫)の言葉って本当にこの時期救いになりますよね。
たとえ、この先大変な治療があっても、経験者が大丈夫と言ってくれると、この人も乗り越えたんだから、私もどうにか頑張れるかな…とおもますもの。
それにしても、病院で話しかけてきた人凄いですね…
病院という場は、とてもデリケートな場で知り合いでも、なかなか話しかけにくい場所なのに…
  • posted by **ぴの** 
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  • 2011.11/09 21:43分 
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はじめましてー 

以前からいろんなところ?でお見かけしており、本日初めてお邪魔してみました、mykと申します。
よろしくです^^

私は去年のちょうど今頃、乳がんの告知待ち?の時期だったので、そのときの不安な気持ちと重ね合わせて記事を読ませていただきました。
それとその頃、私も知り合いの乳がんを克服されてる方に会ったりして、とても心強かったのも同時に思い出しました。
私たちにとって怒涛の日々のはじまりですね。
今でもときどき自分でブログを読み返したりして、当時の気持ちを綴っておいてよかったな、と思ってます。
続き楽しみにしてますね~♪

お邪魔いたしました~
  • posted by myk 
  • URL 
  • 2011.11/09 22:46分 
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Re: **ぴのさんへ** 

おはようございます^^
この時期1人は駄目ですね。良くない方にしか思考が行かない。かといって何も経験ない人に大丈夫と言われてもひねくれた私は「あなたにこの気持ちがわかるのか?!」と思ってしまいます(^^;)
待合室で話しかけてきたおばさんは60代後半でご自身も健診で引っ掛かり来たようでした。もともとがおしゃべりで黙っていられない性格で多分不安で話さずには要られなかったんでしょうね。入院中も24時間静かな時がない!起きている間はずっとしゃべっているし眠ると歯軋りと鼾でこちらが寝そこなうから早く寝た者勝ちでした(笑)
  • posted by みんく 
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  • 2011.11/10 10:08分 
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Re: mykさんへ 

おはようございます。
ご訪問ありがとうございます^^
実は夏ごろ、mykさんのところにお邪魔してコメントさせていただいた事があります。まだブログを始めたばかりでいろんなところにお邪魔して読み逃げしていたのですが、まるで自分の所に戻ってきたかのようなテンプレートに思わず手が止まりコメントさせていただきました。私アメブロでブログを始めてすぐにFC2に引越したのですがアメブロのテンプレートがmykさんと同じです。その後時々お邪魔しては読み逃げしていました。失礼しましたm(_ _)m
ブログを始めたはいいけれどリアルタイムの乳がん、再建がネタ切れ気味で遡っちゃいました(^^;)だらだら書いているので適当にすっ飛ばしてくださいませ。

これからもよろしくお願いします。






> 以前からいろんなところ?でお見かけしており、本日初めてお邪魔してみました、mykと申します。
> よろしくです^^
>
> 私は去年のちょうど今頃、乳がんの告知待ち?の時期だったので、そのときの不安な気持ちと重ね合わせて記事を読ませていただきました。
> それとその頃、私も知り合いの乳がんを克服されてる方に会ったりして、とても心強かったのも同時に思い出しました。
> 私たちにとって怒涛の日々のはじまりですね。
> 今でもときどき自分でブログを読み返したりして、当時の気持ちを綴っておいてよかったな、と思ってます。
> 続き楽しみにしてますね~♪
>
> お邪魔いたしました~
  • posted by みんく 
  • URL 
  • 2011.11/10 10:24分 
  • [Edit]
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こちらこそ 

こちらこそ失礼しましたm( )m
放射線の件でみんなでキィーキィー言ってたときですね(笑)
読み逃げ全然OKです~
しかもテンプレートが一緒とは・・今思い出しましたが、一度同じテンプレートをお見かけしたような気がします。

今後ともよろしくおねがいします♪
  • posted by myk 
  • URL 
  • 2011.11/10 10:53分 
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Re:mykさんへ 

わざわざありがとうございます。改めてよろしくお願いします<(_ _*)>
  • posted by みんく 
  • URL 
  • 2011.11/10 17:51分 
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お邪魔します 

トントン、こんばんは(^O^)/お邪魔します。乳ガンの疑いありになって、様々な検査をし告知待ちのときが私も一番不安でした。おそらくみんな一緒なんですね。早く結果を聞きたいような聞きたくないような、落ち着かない日々でした。告知された後も、しこりなどの自覚症状もなかったり、家族にガンになった人がいなかったりで何かの間違いじゃないのかとまで思ってしまいました。その時は、なんの知識もなく、乳ガンならしこりがあるはずと、勝手に思っていたんです。
さて、「お喋りなおば様」はどこにでもいらっしゃいますねf^_^;私も手術入院の際、となりのベッドのおば様がめちゃくちゃ元気な方で、ずーっと喋ってました。おかげで、嫌なこと考える暇なく過ごせたので良かったのかもです。
また、その後の入院中のお話も教えてくださいませm(_ _)m
  • posted by 雪ちゃん 
  • URL 
  • 2011.11/10 18:17分 
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Re: 雪ちゃんさんへ 

こんばんは。いらっしゃいませ^^
乳がんはしこりがあるはずと私も思っていました。今だよくわからず3年も経って先日やっと主治医に私のしこりについて質問したけれど「ちょっと硬かったくらい」という答えが返ってきました。
お隣のベットのおば様、入院中に電話番号(メアドじゃないの固定電話の電話番号)交換して今だたまにお電話するお付き合いです(笑)
  • posted by みんく 
  • URL 
  • 2011.11/11 00:18分 
  • [Edit]
  • [Res]

つい昨日の緊張感 

初めての診察、告知のときは恥ずかしながら母と一緒でした。
昨日もしかしたら骨転移かもしれないと言う状況で、一人で診察を待っている間、あまりの緊張感でお腹を壊して何度もトイレに行ってました。
ナースさんもたぶん自分の青ざめた顔色に心配してくれたほど。
ガンという病気の重さをふとしたことで感じますね。
健康診断をした病院からいきなりガンであろうことを伝える電話を会社で受け取ったとき、頭の中が真っ白になりました。
大きな辛さを乗り越えてきているんですよね、皆さんも
  • posted by carumi 
  • URL 
  • 2011.11/11 11:36分 
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こんばんは~ 

みんくさん、同じでした~

私、触診の先生の顏で、ガンだって思ったの。
細胞診してが終わって、お会計して帰る時の気持ち
言葉で言い表せないよね~

車で、病院に行ったのだけど、どう帰って来たのかわからないの。
帰ってきたら、夕方で、11月だから、もう暗くて・・・

でも、急に保険って思って、保険証書だして保険の確認したり、
仕事どうしょう~って、思った。

それから、狂ったように毎日ネットで乳がんの事調べてたの。

乳がんの事で、頭がいっぱいになり、他の事は、どうでも良くなった~

次の日、会社でいろいろな噂話をしている人達を見て、普通っていいな~~と、思ったのを、思いだしました~~
  • posted by vivi 
  • URL 
  • 2011.11/11 17:14分 
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  • [Res]

Re: carumiさんへ 

こんばんは。
コメントありがとうございます。
今だ検査結果を待つ間は胃が痛くなってきます。何年経っても何回やっても慣れることはないでしょうね。
カルミーさん、骨転移でなくて良かったです。お腹もこわしますよ。
今日はあまりにも寒かったせいだと思いますがいつも以上に股関節や膝が痛くて私は仕事しながらよからぬ事ばかり考えてしまいました。帰宅して暖まったら少し治まったので大丈夫だと思いますが…
  • posted by みんく 
  • URL 
  • 2011.11/11 17:32分 
  • [Edit]
  • [Res]

Re: viviさんへ 

こんばんは。
あの頃1日24時間ずっと癌という言葉が頭から離れなくて寝ても覚めても癌、夢にも出てきました。
仕事もそれまで専業主婦だったのを社会復帰したいと今の仕事始めたばかりで「辞めたくない、どうしよう、年末忙しいのに…」とか思ったりして。そうそう、保険もがん保険解約しなくてよかったなあ、とか乳がんも大丈夫だよねとか思って私も狂ったようにネットで乳がんを検索していましたよ。みんな思うこと同じなのかしらね。。
わるいことしか見つけられなくて落ち込んで、あちこち不具合がありながらも3年後の今、こうして普通に過ごせているなんて思えなかったわ~

  • posted by みんく 
  • URL 
  • 2011.11/11 17:51分 
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プロフィール

みんく

Author:みんく

ファッションブランドコミュニティ「プーペガール」

2008年11月末に乳がん(浸潤性小葉癌)で右温存、断端陽性で12月全摘、抗がん剤(TC)後現在ホルモン治療中です。ノルバデックス+ゾラデックスを5年間の予定でしたが3年目の2011年11月に主治医よりゾラデックス終了の提案があり1ヶ月悩んだ末ゾラデックス終了を決めノルバデックス服用のみとなりました。関節痛などあちこち不具合はあるけれど、すっかり禿げの痕跡もなくなり、シリコンでの2期再建も終了。いまだ気持ちの浮き沈みが激しい毎日だけど『頑張らないけれど諦めない』をモットーに過ごしていきたいです。お酒と甘いものと主治医のセンセが大好きです。2011年6月、再建胸の凹みとリップリングを修正する為CRF(コンデンスリッチファット)による脂肪注入手術を受けました。

『脱!患者』センセから完治宣言を貰う事を目標にしつつ『お楽しみは後回しにしない!』をモットーに新たに加え、観劇などのお楽しみを中心に日々の出来事を綴っていこうと思います。


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